SDGsは「攻めの社会貢献」? “成長戦略としてのSDGs”って何?
今後ますます世のキーワードとなりそうな「SDGs」。Sustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標などといわれています。SDGsのGsはゴールズの略で、2030年までに世界が達成すべき目標として国連が掲げた17の「ゴール」のこと。貧困、安全、差別、教育機会、自然環境、経済発展と地域社会・・・などのどれも犠牲にすることなく持続可能な未来を目指そうというものです。
SDGsは、主に大企業にいわれてきた「CSR(企業の社会的責任)」と違って、大企業も中小零細企業も、地方自治体も国家政府も地域住民も個人も・・・すべての人に関係ある考え方なので今注目されています。
しかも、ただ世のため人のための「社会貢献」ではなく、「攻めの社会貢献」などといわれ、本業をより強化してより儲かるための社会貢献・・・という見方もあるところから、経済界も自治体も政府も「成長戦略としてのSDGs」に興味をもって、何をしたら良いのかと探っているわけです。
しかし、SDGsは非常に高度な「俯瞰」の発想で考えないとよく分かりません。
国連は「17のゴールは最終的にすべて繋がっている」というのですが、それが普通の人には想像がつきにくい。まさに「木を見て森を見ず…、群盲象を評す…」となりがちなのです。
また、中小零細企業や余裕のない地方の商店街などでは「社会貢献なんて考える余裕は無い!」と思いがちですが、これもモッタイナイ発想です。SDGsは「社会貢献」でも「奉仕」でもなく、「本来あるべき社会の姿」を整えていく活動です。小さきもの、力の弱きものにもちゃんと役割があることを、国連が旗を振って世界に強調しているのですから、乗っからない手はありません。
SDGs企画を考えるには、まず理念を見直すこと
とはいえ、企業や自治体に急にできた「SDGs担当部門」に配属された人や、話題のSDGsに乗り遅れぬよう何とかしたいと思った経営者には、やはり「難問」には違いないでしょう。
一般的には、SDGsに取組むなら「17のゴールを細分化した169のターゲットの中から、自社と関連するものを選び重点的に取組む分野を決める」と指導されるのが普通です。そして、ごく単純に企業は「経済」に、行政は「まちづくり」に関わるものを考え、とりあえずできることをしていくわけです。
それももちろん悪くありません。しかし、本当に「SDGsで成長戦略を」と考えたいなら、まず自社や自地域の本質価値と、「理念」や「ビジョン」から見直すことをおススメします。つまり、自社の活動が元気に継続していることで、誰がどう幸せになっているのか、無くなると誰が悲しい想いをするのか、それは長い歴史の中でどうあるべきなのか・・・といったことです。
例えば、ある町の中心の商店街が提供しているのは、それぞれの店としては野菜や魚や肉といった商品かもしれませんが、果たしてそれだけでしょうか? ノスタルジーや個人的な感情は抜きにして、商品さえスーパーで提供されるなら商店街には存在価値は無いでしょうか? そこをよく考えてから、企画を考えていく必要があります。
SDGsを芸者さんのお座敷遊びで理解する!?
ここを勘違いしがちなのですが、SDGsは、強いものが勝つのを我慢して弱い者を助けるという発想ではありません。SDGsは「じゃんけん」のようなものです。だれか圧倒的に強いプレイヤーがいるのではなく、それぞれが強い面と弱い面を持っているという「三すくみ」の考え方です。
じゃんけんだと強弱がわかりにくいので、別の例を出しましょう「虎虎」という伝統的なお座敷遊びをご存知でしょうか?
これは、舞台真ん中に衝立を置いて、片方に芸者さんもう片方に舞台に上げられた旦那が隠れて、それぞれ3つのキャラクターの何かに成って歌に合わせて衝立から出てくるという遊びです。3つのキャラとは、加藤清正(または和藤内)、虎、老母です。虎は加藤清正にやられる、老母は虎にやられる、しかし清正は老母にはかなわない・・・つまりじゃんけんと同じなんですね。これが「三すくみ」。
何がいいたいかというと、世の中の「強い」と思われているプレイヤーもどこかに「弱い」ものがあって、それぞれがすくみ合ってこの世の中が成り立っているということ。現実の世の中はもっとずっと複雑ですから、三すくみどころがものすごく長い輪になっているわけですが、「生態系」と同じように誰かの存在が回り回って誰かの役に立っているわけです。
このイメージを表したものとして、SDGsの17ゴールが並ぶパネルよりもカラーホイールの方がずっと分かりやすいと思います。
そして、一対一関係ではなく3重4重の「タイアップ」企画を仕掛けていく
SDGs企画を「攻めの社会貢献」として「成長戦略」としていくには、上記の発想、社会の全体像の俯瞰、そして先の先を考えて「関係性」の輪を作っていくことが大事です。
自社の存在の「本質的な価値」が役に立っている誰かを想い、その誰かの「本質的存在価値」がまた先の誰かに役立っていることを想い・・・この繰り返しです。そこにうまく、細い糸を通していくことがSDGsの企画のポイントではないでしょうか。
トミタプロデュースでは、「メディア化」することで顧客をファン化してビジネス展開するノウハウや具体企画をご提供していますが、「メディア化」つまり「メディアになる」ことはまさに複数他者の間をつなぐ役割になることであり、SDGsに繋がる発想を昔からしながら仕事をしてまいりました。
特に、県域FMラジオ局の企画を通じて、全国クライアントと地域のコミュニティや様々な表現者とをつなぐことは企画の根本でしたので、SDGs企画の中でも地域の問題と全国・世界の課題を繋ぐ企画は得意です。
そもそも民間放送の企画は第3者課金の代表例で、「制作者と表現者」が作ったコンテンツを「視聴者/リスナー」には無料で提供し、「スポンサー」が広告を入れることで賄うものです。しかし、地方のFM局では聴取率だけを理由にスポンサーを取るには媒体力が足りない現実もあり、だからこそ企画マンは知恵を絞って3重4重の関係者を企画に引き込んでそれぞれにメリットがある形を作って企画を成立させます。
もちろん今はラジオ局の企画の話ではありません。その発想とノウハウを駆使して、SDGs時代の企画をあなたのために仕立てます。
- 企業理念の見直し
- 存在の本質価値の社内ディスカス〜SDGs取組みの案だしワークショップ
- タイアップ企画の立案と進行支援
など
どうぞお気軽にご相談ください。