少し古い話になってしまったが、今年の紫川アート市での地元高校生たちとのコラボの話をしよう。
今回がんばってくれた高校生たちの作品もパフォーマンスもみんな素晴らしかった。
そして彼ら自身が最高の笑顔で楽しんでくれたのがとても嬉しかった。
本当に今回、高校生たちと一緒にやれて良かったなぁと思った。彼らは小倉の街と秋の紫川の楽しい光景を、きっとずっと忘れない はずだ。
「紫川アート市」と言っても知らない人も多いだろう。
例年秋に、北九州•小倉のシンボルリバー紫川の川辺で繰り広げるアートの蚤の市で、今年で5年目になる。
毎回誰か一人のアーティストとのコラボで会場装飾をするのが恒例となっていて、予算は限られてるが作家にはとてもやりがいある仕事として喜ばれてきた。街で一番目立つ公共空間を大胆に自分の作品化できるのだから。
逆に言えば、イベントのイメージを大きく左右するので、アーティスト人選に妥協は許されない。毎回、プロデュースチームの少数メンバーと話し合いながら、このチームが惚れ込んだアーティストに直談判して決めていた。
それが、「今回はティーンエイジャーのアーティストと一緒にやりたい」と僕が言い出したので、「正直言って無謀ではないか」「今までよりもビジュアルイメージや会場装飾の質が落ちると思う」などの意見もあったことは事実。僕は「表現者にとってティーンの時期は特別。探せばきっといい人に出会えると思う」と言っていた。特にあても無かったけど。
ところで、今年の「紫川で、会いましょう。」でティーンをフィーチャーしたいと思ったきっかけは、北九州市の市制50周年を祝すスローガンの一つに「未来を担う子どもたちに夢と希望を」というのがあったことだ。
このスローガンを考えた人が想定した「子どもたち」は、まぁ普通考えれば幼稚園くらいまでのちびっ子なのかもしれない。しかし、僕はそれをティーンエイジャー(中学・高校生)と考えた。
話が少々それるが、地方のまちづくり系の企画では、この「ティーン向け」という発想が一般的に薄いような気がする。行政や行政の助成を受けて動くNPOなどが企画することが多いからだろう。
少子高齢化で高齢者の比率が増えれば、行政は基本的には数に応じてサービスを企画していくから、当然中高年向けの企画が増える。彼らが喜ぶちびっ子向けの企画もよくある。しかし、高齢者に比べて数も少なく扱いも難しい中高生に向けた企画はなかなか実施されない。
でも少し考えれば誰でも分かる。地方都市行政にとってティーンへの魅力づくり対策は非常に重要だ。
だいたいみんな、中高までは地元にいるでしょう。そのあと出て行って帰って来ないからイキのいい若者が少なくなるわけで、 中高生こそ街の未来を具体的に握っている子供たち。ティーンが地元に対してどんな夢を描けるかで、近い将来のこの街の未来が決まっていくと言っても過言ではないのだ。
だから、ちびっ子は親や家族に任せて、“街の戦略”として取り組むなら、ティーンが10年後地元に住むこと働くことを肯定的にイメージできるようにすることを僕はお勧めします。何かいいアイデア無い?というときはいつでもご連絡ください。笑
さて、そんなこんなで、何としてもいいティーンのアーティストを捜し出したかったのだが、実際はそんなに簡単じゃなかった・・・。
ちょっと長くなったので、その話はまた今度書くことにしよう。