浅草は不思議な街だ。
浅草らしさという話になると、人によっててんでバラバラになる。

なんでだったか忘れたけど、一度だけビューホテルに夫婦で泊まったことがある。窓からの景色が実に浅草らしい。
眼下には日本最古の遊園地花やしきと浅草寺。そして正面にはどーんと東京スカイツリー。早朝に目が覚めると、見事な朝焼けが東の空を染め、スカイツリーの向こうから昇る朝日、五重塔の周りを旋回する鳩の群・・・。古いんだか新しいんだかよく分からないこの街らしい忘れられない風景だ。
___

最近は時間的・精神的余裕がなくてぜんぜん海外に行けていないが、勤め人時代は実にいろんな国に旅に出かけた。パックツアーではなく、エアチケットだけを取って宿は現地で探すような旅。今のようにネットで何もかも検索する時代ではない。予定は決めず、現地のことを事前に調べすぎることもせず、ただ街をいろんなことを感じながら見て回る。
名所旧跡も一応観たりはするが、それよりもごく普通の人が暮らすエリアで過ごすことが多かった。地元の人が来るお店で、お茶を飲んだり飲みに行ったりして、だいたいは現地の人と親しくなって、本屋にでかけ、市場やスーパー、ショッピングセンターなどにでかけ、ときには大学にもでかけて、何かしらその街の「今」を感じて帰ってくる、そんな旅だ。

世界が均質化しているように見えるが、よく観察してみると考え方や価値観は実にさまざまだ。その国や街ごとの特徴を作る考え方や価値観・・・それが「文化」というものじゃないかと思うが、それは儚いように思えてなかなかにしぶとい。
文化は、もちろん名所旧跡や美術館や博物館の作品にも表れているのだが、日常の暮らしや今その街で生きている人が好むものに貫かれた<ある種の特徴>を見つけて行くと、「ホントに世界にはいろんな価値観があって面白いなぁ」と嬉しくなったものだ。
___

さて、浅草の話である。
この街の特徴は、実に様々なものが同居しているところにある。古きもの新しいもの、一流なもの庶民的なもの、とにかくいろんなものが共存しているところが面白い。
「若者の街」でも「オタクの聖地」でも「古都」でもなくて、飲み屋と甘味処と寿司屋とらーめん屋と洋食屋とインドカリーの店が並んでいるのが浅草であって、その文化の万華鏡のような面白さは、海外の人が感じるトーキョーの面白さそのものなのではないかと思う。
だからこそ、この街には毎日これだけたくさんの外国人が訪れるのだろう。彼らは観音様にお参りするだけじゃなく、トーキョーの、ニッポンの、今の面白さを探しにきているのではないか。

そんな彼らに見せるものが、単なる“おみやげ物”であっていいのか?それが僕がこのアサコレに関わっているモチベーションです。面白い街だと思ってわざわざやってきてくれる世界の人たちに、「そうコレ面白いでしょ?」と言えるものを揃えて迎えてみたい。そのくらい世界は日本の創造性に期待していると信じたいのだ。

インターネットが世界を繋げ、中国の田舎町にまでスタバがある今でも、アサクサにいけば何か不思議な面白さが見つかるのではないか・・・そんな幻想を真実にすべく、「アサコレ2」に向けて奔走する日々なのです。


「アサコレ2」2015.3.21,22 出展希望の皆さま、絶賛エントリー受付中です!
英語も中国語も韓国語もできないというあなたも、同時募集中の国際ボランティアがフォローしてくれるから大丈夫。こんな機会めったにないですよ〜!

http://asakusacollection.com/