メディア・プロデューサー、クリエイティブ・ディレクター、トミタプロデュース富田剛史です。
最近は、「バブル」を知らない世代に「バブル」が話題になることが増えていますが、考えてみるとこのぐらい時間がたたないと1つの時代は俯瞰できないものだなぁと改めて思います。しかし、実際にはあの時も予兆を感じられる事はいろいろありました。
今回は、体験した人も噂にしか知らない人も、「バブルの時代」へ行ってみることにしましょう。
バブルという言葉も無かったあの頃、ただバカげた高揚感だけ皆にあり、イベントのような毎日だった
トミタの個人的なお話しで恐縮ですが、昔、昭和の終わり、1987年に僕は「社会人」となります。
その当時、大学の同期たちはあまり積極的理由もなく証券会社や銀行、保険など大手金融企業にたくさん就職していきました。
採用枠がすごく多かったのです。
就職活動した1985年当時はそうでもありませんでしたが、87年~90年代はじめくらい・・・つまり僕の社会人スタートの頃はいまでいう「バブル」という時代で、社会全体がイベントのような感じでした。
しかし、当然そのとき「バブル」という言葉はみじんもありません。その真っ只中に居た人は「はじける」なんて思いもしませんでした。
ただ「バカげた高揚感」だけがみんなにあった。
とはいえ、そんな中でも新時代の予兆は確かにあったとは思います。
1989年に一気に芽吹いた「時代の新緑」
一つは1989年に起きた世界的な民主化の流れです。
ベルリンの壁の崩壊~東西ドイツの統一、ポーランドなど東欧諸国への民主化の広がり、マルタ会談で米ソ冷戦が終結・・・、一方で広がる民主化の流れを中国政府が押さえつけた天安門事件もこの年です。
民主化とは関係ありませんが、日本ではこの年の正月に昭和天皇が崩御し、昭和が終わり平成が始まりました。
一緒にするのはなんですが、美空ひばりが亡くなったのもこの年。
当時は、イケイケどんどんの日本経済でしたから、世界の民主化の流れはますます経済発展への道!と浮かれている人が多かったと思います。
しかし実際にはこの潮流の大きなポイントは「それまで小さく弱く押さえつけられてきた声が大きなうねりとなったこと」にあったのではないか?僕はそう思います。
「一部に権力の時代」を揺るがす「民主」の流れ。
時を同じくして、「環境問題」を危惧する声が徐々に大きくなっていきます。
大国の都合、大企業、大宣伝、大ヒット・・・社会主義イデオロギーの崩壊~経済至上主義に世の多くの人が浮かれる中でも、逆にそれに疑問を持つ人たちが確実にうねりになっていくのを感じました。
アメリカのタイムス誌が毎年正月号に表紙にするのは「マン・オブ・ザ・イヤー(現在ではパーソン・オブ・ザ・イヤー)」と呼ばれ、良くも悪くもその年を代表する人物の顔なのですが、長い歴史の中ではじめて1988年の正月号の表紙を人以外が飾ったことを記憶しています。
何か?・・・「地球」です。
その頃、日本で起きていた小さな…しかし重要な変化
そして、僕が係わることになる「第二FMラジオ局」や「圏域独立FM局」、つまり東京キー局の番組を流すのではないそれぞれの地域の個性的な時間を作るラジオ局です。
東京にJ-waveが開局したのが1989年。その後大阪802、愛知ZIP-FM、北海道NorthFM、福岡CrossFMや、さいたま、千葉、新潟といった県のラジオ局が次々と開局して人気を集めていきました。
(ちなみに、神奈川のFM横浜はJ-waveに先立って1985年開局でしたが)
また時を同じくして、1989年にJリーグが立ち上がります。それまで日本で圧倒的人気だったプロ野球が、大企業のチームであり大都市圏のみで、しかも「巨人軍とその他」という構造でテレビ中継も漫画・アニメも成り立ち、小さな町に行けば行くほど巨人ファンがばかりだったのが、地域地域で我がまちのプロサッカーチームを応援するという画期的な変化です。
これらも、「バブルの延長に開いた華」という見方もありますが、確実に向かう方向に変化があると感じませんか?
集中の時代から分散の時代へ。
この、「小さな声がうねりを作る動き」「経済至上主義から環境への意識変化」「集中から分散、大衆から個衆へ」といった、現在大きな幹に育つ芽が一気に吹き出したのは間違いなく1989年だったと僕は考えています。
バブル崩壊は、日本の事だけ考えていてはよく見えない「世界的な時代変化」の一角だった
日本では、その後1995年~大金融機関が次々倒産や合併となり「バブル崩壊」と言われるようになるのですが、そんな日本の時代変化も、大きな世界の時代の潮流の中に起きたことだと今になれば分かります。
興味があれば調べてみてください。多くの人が今あこがれのような気持ちを持つ「北欧」が変化していったのはいつか、今世界の政治指導者に若者や女性がたくさんいますが、そういった変化が起きてきたのはいつか、今デジタル先進国となっている国がデジタル化を市民レベルにまで政策的にひろげたのはいつか・・・
今につながる変化はその頃に一斉に芽吹き、対応した国や人と、対応せぬまま来た国や人がいることがハッキリ分かるでしょう。
今、2022年に起きている「時代の変化」をはっきりと認識することが必要だ
さて、ここで2022年へバック・トゥ・ザ・フューチャー! 戻って考えてみることにしましょう。
どんな人でも今が時代の変わり目である事は感じているでしょう。SDGsに表れている各種のテーマ、それらはわかりやすく時代変化を整理してくれています。そしてなんといっても、世界同時に起きたコロナ禍が、人々のライフスタイルとビジネスのあり方、そして価値観まで一気に塗りかえています。
これら、「対応せざるをえない状況」が大きくなる一方で、科学技術やメンタルなどテクノロジーが大きく発展し、「対応可能な状況」が増えてきていることも見逃せません。それはすなわち「ビジネスチャンス」であり、旧来の価値観を崩そうとしない旧来の勢力にとっても魅力的です。だからこそまた一気に時代が変わっていこうとしているのです。
2022年7月28日、午後1時から、そんなこれからの時代の変化を俯瞰して見るセミナー+ワークショップをオンラインで開催します。
日本ママ起業家大学のホームページで参加希望受け付けています。興味のある人は以下からご参加ください。
今回間に合わなかった…と言う人も、もしも興味があれば、ママ大のホームページからメルマガを登録してください。これから時々こうした時代の変化に関するイベントをやっていこうと思いますので。