震災は東北だけの話じゃない、といつも思う。
東日本大震災の被災者の苦しみは、もちろん凄まじいことに違いない。
今まで当たり前にあった大事なものが、ある日突然無くなってしまう空虚感。
でも、地震でもないのに、みんなその大事なものを、案外大事にしようとしない。
原発事故が無くても、自分の大事なまちがどんどん寂しくなっていくのはなぜか、
そのことは気にしない。
震災の直後、たくさんの有志たちが被災地に赴き、自分のできるを精一杯していた。
その時、僕は福岡におり、もちろん自分ができる何かを、東北のためにしたいと
思わないことは無かったが、僕は結局行かなかった。
そして、(ちょっと誤解を受けるかもしれないが)「いや、ここも同じだ」と思った。
大事な時間を奪われてしまった人たちを、できることで助けに行くのも大事だが、
<まだ失っていない大事な時間>があり、しかもそれに十分気づいてない人にこそ、
僕ができることがあるのではないか・・・・
まことに不遜な話に聴こえるかもしれないが、僕があの日考えたのはそういうことです。
日本中の、みんなそれぞれ美しい、誰かにとって世界で一番のまちに住む人たちは、
あの2年前の3.11の前日にいる。
もう遅すぎるかもしれないけど、まだ間に合うかもしれない。
少なくとも、今自分がいる場所を、一緒にいる人と、精一杯大事にして
過ごすことくらいはできるだろう。
そして僕は、そのお手伝いをしたいと思った。
自分が好きなまちが明日の被災地になる前にすべきことを。
だから、小倉では毎年3月第二日曜日を「ふたりの日」として祝います。
紫川という、みんなが大好きな川の春の始まりの1日を、本気で精一杯楽しみます。
FMラジオの特番のタイトルも「僕らの街の、いつもの時間」。
それこそが、世界で一番特別なものだから。
ところでこんどの日曜日、小倉のまちに「ESDステーション」なるものがオープン、
持続可能な開発のための教育を実践する場・・・ということで、
オープニングのフォーラムのプロデュースを僕が担当することになりました。
小難しいことはともかく、
「僕らの街の、いつもの時間」、それこそが、世界で一番特別なもの
ということを、みんながそれぞれ実感することが、
つまり持続可能な世界を作るキーなのだろうと思ってます。
3.17(日) 北九州商工会館で、午後1時から、
箭内道彦さんを迎えて公開セッションします。入場無料。先着300名。
ご興味あれば、来てください。もちろん僕も現場にいます。
★お詫びと訂正★
上記情報、箭内さんを迎えてのフォーラムは13時開演です。
14時と記していましたが、間違いです。お詫びの上訂正致します!